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怪談ノ宴 2009 其の参

  • 投稿者: admin
  • 2009年9月14日 1:17 PM
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ちょっと後悔してますが、今日も昨日の続きです。

なんで後悔かっていうと、残りってもうほとんどないんですよね。だから、これだったら昨日のエントリに含めて、昨日で終わらせておけば良かったと。

もうここからは完全に二部に入ってます。

休憩時間の終わり頃に平山夢明さんの『大日本ノックアウトガール』と山田誠二さんの『妖奇怪談全集』という二つの映像作品(前者は映画で後者はDVDかな?)の紹介動画がスクリーンに流されました。

ここでも京極さんの手腕がグイグイと活用されているようで、なんかスケールがでっかくなった学園祭、放課後の活動みたいな感じです。いい意味でのチープさ?みたいのも感じられて、こういうの好きだなぁ。

そして肝心の第二部へ突入。

肝心といっても、これまで同様に出演者たちの語りで進められていく形。

この二部では、『新耳袋』の共著者として知られる木原浩勝さん(最近は個人でもグイグイと新しい怪談作品を上梓されてますが、若干パンチ不足かなという印象)、福澤徹三さん(実話怪談だけでなく、小説作品も数多く執筆)、とっくに出てきている平山夢明さんの三人がメインです。

木原さんの怪談語りから始まったのですが、その横に配置されている長椅子に待機しているときの福澤さんと平山さんの態度がちょいと不快でした。よく動くし、談笑までするから(時折その声も聞こえる)木原さんのほうに集中しにくくて。

木原さんの語りのほうは、、怪談の真髄は語りにありというわりには(たしかなんかでそんな風に言っていた気がする)あんまり上手じゃないかなと感じました。ま、こうやって実際に人に対してお話するのが本業じゃないでしょうから、そこはさっ引いてあげるのが当然といえば当然で、むしろそこも含めて楽しむくらいの姿勢で臨むべきだったんでしょうが、なんせ京極さんが上手だったもので、自然と比べてしまっていたのかもしれません。

京極さんのやったような「朗読」とはまた違うのだから、比べるのも無意味というか、余計なことだったとは思うのですけどね。でも、声がとても素敵というか、聞きやすい、なじみやすい声質で、個人的にはそこは大変好感を持って聞くことが出来ました。あの風貌からは想像できなかった、とても優しい繊細な感じの声でした。(実際に語られたお話のほうは、ジャブくらいかなぁ、、語りのスキルにも拠ったと思うけど)

次は福澤徹三さん。

自分はこの方の作品、語り口(活字における)がかなり好きで、何度も読み返しているものがけっこうあります。とくに好きなのは『怪を訊く日々』という、福澤さんが自身で蒐集した実話怪談集で、このシリーズでは一部で登場してた加門さんの『怪談徒然草』と並ぶ、お気に入りの作品です。

他の小説作品にも好きなものは多いですが、今はもうなくなってしまった『幻想文学』とかにちょろちょろっと寄せていた、ご自身の祖母のお話なんかも、すごく惹かれるものがあって(ということは、怖いということです)いまにそのへんをまとめてくれないかなぁとかも思ってたりして。

語られたお話のほうは、活字で語られる作品をほとんど生、素材のままに俎の上に「どん」と置いた感じだったかな。福澤さんも木原さん同様、こうした形での語りには慣れていないようでしたが、それでもそういう不慣れな部分も含めて空気を作り出すことには成功していた部分もあるから、ぼちぼち堪能できました。

最後は平山さんの再登場です。

これまでの語り方とほとんど変わらず、半分超はやっぱり「笑い」をとっていくスタイル?になってましたね。毒の効かせ方はさらに増していたかも。笑いもしたけれど、逆にそのせいで語るお話の中の「怖い」部分も引き立ったりもして、これまたなかなか堪能しました。

しかし、なによりスゴイのは、このときに披露したお話がこの日に蒐集されたものだというところ。数時間前に友達に電話をかけて『なんかない?』ってなノリで聞いたものにしては、とてもじゃないけれど、そうは思えない内容、厚みになってました。怪談でこういう表現も変だけど、まさに採れたてのホッカホカ怪談。

そんな感じで、、以上、終わりです。

何度も言うように、むしろ「笑い」の部分のほうが多かったくらいの怪談会ではありましたが、それでも十分に怖いタイミングを何度か味わったし、全体としては非常に楽しめて満足のいくイベントでした。

終盤で、やけに目障りなピンポイントの明かり(直径5cmくらい)が客席の人たちや舞台上に差し込んでいたのが目障りで気になりましたが、あれはなんだったんだろう?

怪談ノ宴 2009 其の弐

  • 投稿者: admin
  • 2009年9月13日 11:25 AM
  • Life

昨日の続き、『怪談ノ宴2009 其の壱』の続きです。

全体は二部構成になっていて、いまのところは一部について語ってます。各部の中での、それぞれの順番は既に細かい部分では記憶もあやふやになっているので、あまり正確さは期待できませんが。

昨日はオープニングを京極夏彦さんが読者投稿の怪談三編を朗読したところまででした。この後に、雑誌『幽』編集長の東雅夫さんも登場して軽くトーク。

Webサイトのほうでもたしか触れていたと思うけど、この会の出演者を紹介する10秒ほど(出演者一人につき)の動画があって、これがなんと京極さんの手によるもので、以前からその動画編集にかける熱意?と完成度の高さ、面白さは有名だったけれども(そもそも水木センセイともこの動画編集がきっかけになって親しくなっていったとか)こうして実際に見てみると、いやはやたしかに、これはその筋?では有名にもなるし、いろんな人にお願いもされるだろうなぁと納得もし、感心もしました。ただ、ご自分のものも作られているんで、それはやっぱり照れくさかったのか、「イヤなもんですよぉ」って苦笑いで話しておられましたね。

P9121822

そんな風にして作られた紹介動画を最初に流して、次は「見えちゃう・聞こえちゃう・感じちゃう」の女性三人。『怪談シスターズ』(こういう名前だったかちょっと自信ないけど)ってことで、チャーリーズエンジェル風の動画で紹介の後、作家の加門七海さん、立原透耶さん、漫画化の伊藤三巳華さんが登場。ここはこの三人の鼎談という形で、それぞれの見聞きした不思議な、怖いお話をいくつかしてくれました。

あ!しまった。

その前にそうだ。怪談アルピニスト(だったっけな?)の安曇潤平さんが先に登場して、ひとつお話をしてくれてたんだった。この方は幼少の頃から山登りをされていて(現在も)その経験から見聞きした、いろんな山での怪異、不思議な話(怖い話もバリバリに)をご自身のWebサイトや雑誌『幽』のほうで披露してくれてます。(赤いヤッケの男 山の霊異記 (幽BOOKS)っていう本も出されている)

自分は山登り、とくにしたことないんだけど、それでも安曇さんの語るお話にはとってもリアリティを感じられて、実に自然にその作品世界に入り込むことが出来ます。こういう「山」に特化した怪異ってのも、ここまで徹底したものだとあまり聞いたことなかったから新鮮だったし、その内容、語り口も含めて、ますます独自の世界を構築されているようで、雑誌のほうで読めるのも毎号とっても楽しみだったりして。今回聞かせてもらったお話もなかなかに不思議で怖い「怪談」でした。しっかりと。

青行灯

んー、、だんだんどこまでが第一部で、どっからが第二部だったか分からなくなってきたけれど、ま、まだこの時点では一部だったと思います。ということで先を続けましょう。

これまで主に進行役だった京極さんと東さんの二人に加え、ここであらたに一名が加わります。作家の平山夢明さんです。

平山さんといえば、「超怖い話」や「東京伝説」、「怖い本」等のシリーズでよく知られる、いわゆる「実話怪談系」の作家さんですが、(他にも短編小説や映像作品も発表されていたり、2007年度の『このミス』国内部門一位に『独白するユニバーサル横メルカトル』が選出されてたりもする)

自分の趣味嗜好、好みでいうと、実はあんまりこの人の作品、語り口は好きではなくて、苦手だったりするんだけれども(でも、面白いと思ったものもけっこうある)こうして実際に壇上でお話をされる様子を見たら、なぜかいっぺんにイメージが変わってしまいました。なんか、今までのその苦手だった部分が、あぁ、こういう人がこういう姿勢で捉えて描くものなら、あれはあれでいいんだな、みたいな感じで。

登場前になんか近くでお酒を呑んでたらしくて、そのせいか?それとも元からなのか、のっけからとばしまくって炸裂してました。愉快で軽妙で、随所に適度?に挿入される毒気が、いろんな意味で場に合っていてナイスなキャラクター。ときに不謹慎とか(最近そういうの、世間一般うるさいでしょ?)言われそうな表現も決して少なくなかったんだけど、悪意とか、人を不快にさせようとか、そういうのではなかったから、これも随分と笑わせてもらい、なおかつ「ゾクゾク」っと、怖い思いもさせてもらいました。

日本モノノケ観光の作品群

平山さんと京極さんの軽いトークを導入口にして、フレッシュな新人作家の一人として、ここ数年でじわじわとその評価、知名度をあげている黒史郎さんが登場。(『夜は一緒に散歩しよ』で第一回『幽』怪談文学賞長編部門大賞を受賞)

この方の作品は実はまだ未読で、雑誌『幽』のほうで書き下ろしの短編をちょろっと読んだ程度。でも、惹かれるもの、気になる感覚を感じるので、そろそろひとつくらいはちゃんと作品を読んでみたいとは思って、『夜は一緒に散歩しよ』は購入済みなのですが、まだ積ん読ゾーンに積まれてます。

この黒さんのしゃべりがまた面白くて、この方の登場からまた一気に笑いのヴォルテージが加速していきました。本人も言ってましたが、こういう場に不慣れなのとあがり症ってことで、足は震えるはカンペ持参でそれを棒読みで読み上げる進行をするわ(彼が紹介役になって、この後に他の新人作家さんたちを何人か紹介)そういう不慣れでダメダメなところが、平山さんの容赦ない突っ込みも加わってすんごく面白くて、場内ほんとに大爆笑、爆笑の渦でした。

怪談を聞きに、恐がりにいって、果たしてこれでいいのだろうかと思うほどに笑ったなぁ。

たぶん、これくらいで一部が終わって休憩に入った気がします。二部では木原さん、福澤さんが登場します。すでに登場済みの平山さんも、あらためて怪談を語る人として、再度登場し直しますが、ちょっとまた長くなってきたのでまた『其の三』に繋げることにします。

怪談ノ宴 2009 其の壱

  • 投稿者: admin
  • 2009年9月12日 9:50 PM
  • Life

今日はですね。仕事がなかなか見つからないといってウジウジとネガティブなpostとかをtwitterとかに連投しているのも、さらに、余計に、ひたすらに、情けなくてイヤになってしまうんで、気晴らしも兼ねて(天気は真逆モードでしたが)イベントに行ってきました。その名も『怪談ノ宴』です。

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けっこう前から予約はしてたんで、今の仕事の「ある、ない」とかは全然関係ないんですけどね。タイミング的にはまぁ、ぴったりの気晴らしになった感じです。

自分が創刊当初から愛読している日本で唯一の怪談専門誌『幽』という雑誌があるのですが、この雑誌の創刊5周年記念(幕には5周年御礼となってたかな)てことで『幽Presents怪談ノ宴2009』が正式名称だったみたい。

タイトルからも分かるように、ズバリ「怪談」を語る会で、ようするに怖い話を聞きに、恐がりに、怖い思いをしに行ったわけです。場所は大井町の「きゅりあん」という施設の大ホール。

出演者は豪華で(つっても、ある程度好きでないと全然そうは感じないかな?)最近はより表現、作品の幅を広げつつある京極夏彦さん、新耳コンビの一人である木原浩勝さん、実話系怪談では真っ先に名前があがるであろう平山夢明さん、福澤徹三さん、山岳?怪談(ようは山の怪談です)で独自の境地を開いてきた安曇潤平さん、見えちゃう感じちゃうの怪談シスターズ(といっても、実際はもちろんピンで活躍されている作家さん方)加門七海さん、立原透耶さん、伊藤三巳華さん、他多数。

怪談をああいう豪華ででっかい大ホールで聞くのは初めてだったんだけど、後ろ半分がほとんどガラガラだったのは逆に「後ろでは実は何かが、、」みたいな想像も喚起したりしてけっこう良かったです。盛況の割に超満員じゃなかったのとかは、あえて余裕をもって広い会場にしたのかな。(インフルエンザのことも考慮してとかアナウンスもあったし)

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今日は作品ではよく知っているけれど、実際の様子なんて全然知らない作家さんたちを一同に見ることが出来て(見るだけじゃなく、グイグイと話芸でも楽しませてもらって)大変楽しかったです。テーマは怪談だし、もちろんひたすら「怖い」話、「なんかよくわかんない、変だなぁ」ってな話(ま、これも怪談ですが)が続く、それが趣旨の会のはずですが、とにかく楽しかった。

実際、半分以上は爆笑してたんじゃないかってくらい、ホントに「笑って」楽しんだなぁ。普段は活字による作品という違いはあるけれど、やっぱり基本、皆さん「人を楽しませる」(たとえそれが怖がらせる、恐怖させるという内容であっても)ということを目的に仕事をされているからか、サービス精神旺盛というか、上手。もちろん、鳥肌の立つ「ゾ」っとくる話だっていくつもあったし。

配分的には(怖いのと笑ってしまうのと)微妙なところもないではないけれど、少なくとも今回はちょうど良かったと思う。なにより楽しめたってことが一番大事で、実際そこはもう申し分なく。

幕開きの冒頭は、いきなりあれですよ、京極さんですよ。最近はより範囲も広がってきているので(活動、表現の)デビューから数作くらいまでの頃ほどのハマりようはないけれど(『鉄鼠の檻』あたりまではすんごいハマってた)やはり気になる作家、というか表現者ではあるかなぁ。単純に好きだと言うには複雑なものが色々とありすぎるんだけど、気になる人ではあります。たいてい、つねに。

最近だと『幽談』とか『冥談』といったタイトルの作品を上梓されているようだけど、このへんはひとつふたつ(雑誌での発表時に)流しただけで、作品についてはとやかく言えるほどは今のところ追っかけきれてない。幽談だったか冥談だったか、雑誌『幽』のほうでちょろっと読んだときに「あ、これは、」と感じて、気にはなったんだけど、今のところはそこに集中して追っかけたいとこまで、、まだ行き切れてない(閾値に及ばない)んで、もうちょっとためてからかなぁという感じ。最近の京極作品に関しては。(でも、京極堂シリーズだとつい読んじゃうんだけど)

その京極さんが、Web幽のほうに投稿された三つほどの怪談を朗読してくれるところから始まったのは、なかなか豪華だったんじゃないかな、やっぱり。

本業は小説家、グラフィックデザイナー(日本語、漢字に拘る人なのでこのへんは意匠家って言ってますね、よく)とかだから、朗読とかどうかな?大丈夫かな?って、ちょっと心配しながら、半分見守りモードで見ていたんだけれども、これが実に上手というか、流ちょうで淀みなく、、いや、上手でしたね。

声色も変えて、お話に登場するそれぞれのキャラクターごとに性別や年齢、性格までも結構なところ、演じ分けていたように見えました。実際、上手に演じ分け、出来てたんじゃないかな。ただ、語りにおいて、あまり声色で演じ分ける必要はないとオレは思っていて(このへんは堀井憲一郎さんの論に非常に拠る)それが出来ているから「上手」とかではなかったです。声色の部分は。

でも、やっぱり上手だったし、安心して聞いていられた、楽しめた(最後のは鳥肌立ったし、あれはあの語りのスキルから来てるところデカいだろうし)です。京極さんの場合、いわゆる一般の作家さんよりもずっとああいう場、ああいう「人前で語る」っていう機会が多いような気がするから(実際、そういうのをよく目、耳にするし)慣れてるのもあるんかもしれない。とにかく器用な人だからってもあるし、生来のものとかも抜きにはそのへん決して語れないんだろうけど。

ま、そんな感じで始まったわけです。『怪談ノ宴』は。(多分、明日以降も続きます。これ)

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